学生納付特例制度で猶予された国民年金保険料の追納のお知らせが届きました。
追納すると将来もらえる年金がその分増えますよって話ですが、追納するかしないかは個人の自由です。追納できる「権利」ですからね。
私は追納せずに保険料分の金額を運用することにしています。
今回の記事では、なぜ追納せずに運用すると決めたかについて書いていきます。
基本的に国民年金の納付は義務なので、滞納すると所得350万円以上の方は財産を差し押さえてでも支払わされます(2017年度から所得300万円以上の未納者になります)。
なので今回の記事の学生納付特例制度で猶予された国民年金保険料を追納するかどうかという話と混同しないように注意してください。
国民年金とは?
以下に国民年金について簡単に記します。
国民年金の保険料を支払うと老齢基礎年金と障害基礎年金を受け取ることができます。
まずは老齢基礎年金から。65歳からもらえるやつですね。
・老齢基礎年金
老齢基礎年金を受け取るためには、保険料の納付済み期間が25年以上必要。
在学中に手続きをして学生納付特例制度の承認を受けた期間は、この25年の受給資格期間に含まれる。
ただ、特例制度で納付猶予された保険料を追納していないと、老齢基礎年金の受給額の計算対象にならない。
例えば・・・
4年間:学生納付特例制度承認期間で追納せず
+
21年間:年金保険料納付
だと、
納付済み機関=25年
老齢基礎年金受給額の計算対象=21年
となり、21年分の額で65歳から年金が支給されます。
25年分の年金がほしければ、
学生特例制度で猶予された保険料を追納しなければいけません。
次は障害基礎年金です。
・障害基礎年金
事故などで死亡したり障害が残った場合に支給される年金です。
受給資格は
a) 保険料納付済み期間が2/3以上ある場合
or
b) 障害年金を申請する月の前々月までの1年間に保険料の未納がない場合
のどちらかを満たしていれば受給することができます。
学生納付特例制度の承認を受けている期間は、保険料納付済み期間と同様に扱われるので、
追納しなくても障害基礎年金には何の影響もありません。
なぜ年金を追納するのか?
最初にも書きましたが、なぜ追納するのかと言ったら、
「老齢基礎年金の額を増やすため」になります。
27年度の年金支給額は満額で年額780,100円です。
老齢基礎年金は加入期間40年で満額受給でき、
未加入期間があるとその分減額されます。
例えば、大学・大学院修士の4年間を追納しない場合、
加入期間は36年なので、65歳からの年金額は
36/40×780100=702,090円/年
となり、
満額受給との差額は年間78,010円です。
4年分の追納額を27年度の年金保険料で計算すると748,320円ですので、
748,320/78,010=9.59年
年金受給開始の65歳から9年半以上生きて貰い続けられるのであれば追納した方が得になります。
平均寿命も延びてるから私も75歳位までは生きていそうだし追納しようかなと思った方、ちょっと待ってください。
追納しないで運用したら……
今、追納しなくてはいけない748,320円を年金受給開始年齢まで運用したらどうなると思いますか?
748,320円を25歳から65歳までの40年運用したらどうなるか計算した結果が下記になります。
年利数%でも40年続けると大きな額になります。
追納額を年利2%で運用できたとすると、86歳まで生きないと追納が得になりません。
運用利率3%だと96歳、4%だと111歳が追納が得になるかどうかの損益分岐点になります。
私はがんばっても85歳位までしか生きれないと思っているので、
年利2%以上で運用できれば追納しない方が得ということになります。
そもそも65歳から年金が貰えるかどうかも怪しいですしね。
というわけで追納通知書はそっと捨てました。
上の計算だと追納した時の還付金を考慮していませんが、
還付金を考えても自分で運用した方が良いとの結論に至りました。
追納で還付される税金は所得が多いほど多くなるようになっており、
還付金が多いほど損益分岐点が若くなります。一応下に計算結果を乗せておきます。
運用例の紹介
最後に追納するお金を用いて行う運用例を紹介してます。
今ならユーロドルの異業者両建てで年利3%運用できます。
SBI FXトレードでユーロドル売り:スワップ=+27
ライブスター証券でユーロドル買い:スワップ=-3
差額=+24円/日@1万通貨
これを1万通貨当たり各口座に15万ずつ入金して実施すると、
(24×365/300000)x100=利率3%
これがずっとできるとは思っていませんが、こういったものを探して運用していけばいいわけです。
もちろんやる場合は自己責任でやってくださいね。
以上、国民年金保険料の追納はしない方が得だと思うって話でした。